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  • 2011.06.20 Monday
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WAS2リプレイ風SS〜百花繚乱〜こぼれ話1

 
このSSはWAS2リプレイSS〜百花繚乱〜を
捕足するものです。
時系列で言うと、旗揚げから間もなくあたり
だいたい6月~10月位の出来事だと思って下さい。

こぼれ話は本編とは直接かかわっては来ないので
読み飛ばしてもらってもまったく支障はありません。
また、基本プロレスシーンは出て来ない予定です。

百花繚乱の世界観を楽しんでいただけたら幸いです。


※このSSは会話形式ではありません。


「フフフ〜ン・・・♪」
バケツを片手に井上霧子は大きな扉を開けた。

「さてと、早速始めましょ」



洋館『東舷楼』は周りの高級別荘に比べても
ふたまわり以上の大きさを誇る。

なにしろ、10組以上のゲストが宿泊できるようにできているのだから
ちょっとしたホテル並みである。

当然、管理の方もそれなりの人数がいる。
ここ東舷楼でも、何人もの女中が館の維持管理に努めている。

例外なのは、選手の寮として使っている一画と
この館の主である少年の私室であった。

寮は基本自分達で清掃をすることとなっており
少年の部屋は、秘書兼貢献人である霧子が他の者に手を出させなかった。
今日も少年が小学校に行っている間に清掃するべく
こうして部屋を訪れたのであった。




少年の部屋は主の性格を表すかのように
きちんと片づけられていた。

ベッドの上の布団もきれいに畳まれている。

少年がまっすぐ成長していることに
霧子は満足げな笑顔を浮かべる。

「まずは空気をいれかえましょ」
霧子は日差しが降り注ぐ大きな出窓に近づくと
大きく開いた。

湖からの澄んだ風が一気に部屋の中に入ってくる。
すると、机の脇のゴミ箱の陰から
丸められた紙がコロコロと霧子の足元に転がってきた。

「あら、めずらしい・・・」
普段ならきちんとゴミ箱に捨てられているはずの物を
霧子は拾い上げた。

「坊ちゃまがそのままにしておくなんて…」
何の気なしに紙を広げて見る。

「こ、これは・・・・・!」
この紙がどうして無造作に捨てられていたか
文面を読み理解した霧子は、しばらく言葉が出なかった。






―父兄授業参観のお知らせー

「なるほどね」
広げられた書類を見て滝はうなづいた。

「若様・・・・若様の心中をお察しすると
 なんとも・・・」
家同士の付き合いも深い北条は、両親を亡くした少年を思うと
胸が痛んだ。

「坊ちゃまは、旦那様方の葬儀の後決して泣きませんでした。
 逆に我々の為に一生懸命明るくふるまわれて・・・
 なんとかしてお力になりたいのですが、今回ばかりは・・・」
己の力の至らぬ問題に霧子はうなだれる。

「ふむ、それならボーイが寂しい思いをしなければいいわけだね」

「なにか、いい方法があるの翔子?」
滝の言葉に北条が問いかける。

「なに、簡単なことさ」







「は〜い、皆さん。
 今日はみんなのお父さんお母さんがみんなの勉強の様子を
 見に来てくれています。
 しっかり勉強しましょうね〜」

「「「は〜い!」」」

担任の先生の言葉に大きく返事をする5年生の児童たち。
田舎の小さな学校はいい意味で純真だ。

「それじゃあ、教科書の34ページを開いてね。
 まず、1ぺーじづつみんなに音読してもらいます。
 読みたい人〜?」

担任の呼びかけに一斉に手を挙げる児童たち。
しかし、そんな中でただ一人うつむいたまま手を挙げない子がいた。
先生も理由は分かっているので何も言わず
「じゃあ、●●さん」
と指名した。

その後、次々と教科書を読んでいく。
ある父兄が子供の様子を漏らすまいと
ビデオカメラ片手に夢中になって前に出すぎ
担任に注意されると言った一コマもあり
どっと沸いたが、少年は一人輪の外にいた。



そんな時だった。
不意に教室の後ろの扉がガラっと開かれた。

「いや、どうやら遅れてしまったようだね」
「申し訳ありません、ちょっと通して頂けませんか?」

突然の来訪に父兄からどよめきが起きる。

「うぁ!ミシェール滝だ!」
「こっちはロイヤル北条さん、なんで?!」

地元プロレス団体の人気選手が突然やってきたのだ。
もちろん、派手なリングコスチュームでなく
シックなパンツスーツに身を包んでいたが
そんな姿も普通とは違うオーラに満ち溢れていた。

父兄達の様子に児童も一斉に後ろを振り向く。
有名人の二人を目にしてもう教室中がえらい騒ぎだ。

写真を撮ろうとしたり、サインをもらうべく群がる父兄に
「すいません、今日は保護者としてこちらに来ているんです。
 授業のあとに応対しますの今はご自重ください」

「せっかくの子供達の晴れ舞台、台無しにしては可哀そうだ」

二人の言葉に、今の状況を思い出しとりあえずこの場は抑えられた。

「先生、申し訳ありませんでした。
 どうぞ授業を続けてください」
北条の言葉にボー然としていた担任も我に返り

「み、皆さんちゃんと席について。
 はい、授業を再開しますよ!
 次は・・・」
と、誰よりも先に一人の手が挙がった。

「それじゃあ〜・・・・」







「どうやら、成功だったようだね」
にこやかに教科書を読む小さな社長の様子に
満足げにうなづく滝。

「なにも、わざと遅れていく必要はなかったんじゃないか?」

「何事も演出が大事さ。
 こういったものはドラマティックなほど効果があるものさ」







「お姉ちゃんたち・・・今日は本当にありがとう!」
館への帰り道、少年が笑顔でいった。

「いえ、若様のお気持ちに気がつかずに・・・。
 どうしても来られなかった霧子さんにもいい報告ができます」
北条が仕事の為に二人に託した霧子を思いやる。

「でも、お姉ちゃんたち大変だったね」
あのあと、言ったとおり父兄や子供たち相手に
即席のサイン&握手会が開かれ
小さいながらも全校の児童父兄を相手にしていたのだ。

「旗揚げ間もない我々に対してあれだけ喜んでもらえたのですから
 良い宣伝にもなりましたから」

「ボーイの笑顔が見られるなら、安いもんさ」
北条も滝も慣れているせいもあるが
この小さな社長のお役に立てたことが嬉しいのだ。

「お姉ちゃんたち、それに霧子さんにも心配かけちゃったね・・・
 ボクもっと強くならないと・・・・」
そういってうつむく少年に

「若様
 もっと私達を頼ってもらっていいんですよ。
 もっと私達に甘えてください」

「そうだな、ボーイ。
 両親のかわりと言う訳にはいかないだろうが
 ボーイの寂しさは共有できるはずさ」

膝をつき、左右からギュッと少年を抱きしめる。

「・・・・・・・・・うん」
二人のお姉さんに柔らかく抱きしめられた少年は
あの日以来初めて涙を流した。

周りの人の温かさを感じながら。







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  • 2011.06.20 Monday
  • -
  • 15:00
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コメント
おお、なんとハートウォーミングな♪
そして、こんな時でも演出を忘れない滝さんに噴きました。素敵過ぎ(笑)。
  • 水瀬
  • 2008/11/19 3:21 PM
水瀬様≫
今回のSSでこれは書きたかったんですよね。
社長の成長と言うか、この少年の時期特有の
悩みとか。
今後も、こぼれ話はちょくちょく差し込んでくつもりでいます。
  • アワモ
  • 2008/11/19 5:23 PM
 良いお話ですね。最初は霧子さんがベットの下あたりを探るのでは?と思った自分が恥ずかしいです。
 教室の隅にビデオカメラを持ったRIKKAがいたような……。
  • RX(CBTF)
  • 2008/11/20 8:04 AM
CBTF様≫
その手の話はもう少し成長してからですねw
少年社長は少々発育が遅めなので(笑)
  • アワモ
  • 2008/11/20 10:31 PM
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